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魅惑のパウンドケーキ

小学生の頃「いつか家がケーキ屋さんになればいいのに」と思っていました。

母がよくお菓子を作ってくれていたので、家の一階を半分ケーキ屋にしたら

いつでも好きなお菓子を選んで食べられるのにという

いかにも子供が考えそうな夢。

スポンジケーキはもちろん、レアチーズケーキやアップルパイ、

クレープもよく一緒に作ったし、クッキーもよく作ってくれたものです。

短大一年生の時、先生が引率してくれるツアーでネパールに

一週間くらい行きました。

行く前に母が「これなら腐らないからと」何気なくパウンドケーキを

2本持たせてくれたのです。パウンドケーキって出来てから

ブランデーやラム酒をしみこませるので持ちがいいんです。

もちろん嬉しかったのですが、かなりの重み・・・。

カトマンズにいたのは少しだけで、後はトレッキングの日々でした。

リュックを背負ってただ歩くしか目的地にむかう道なし。

父は山岳部出身ですが、私は貧血持ちだったので小学校の頃から

遠足で山登りに行く度に倒れ、荷物はいつもみんなに持ってもらうという

情けないことばかり。それなのにネパールでトレッキングです。

リュックに入ったケーキの重みは身体にのしかかります。

慣れない山登りで高山病になるは熱は出すはお腹は壊すは、

私だけではなくて20数名の女性みんな大変な騒ぎです。

でも私、お腹だけは壊すことなく、どんな料理でも美味しく食べていました。

そして何日目かの山の上。引率してくれた旅行会社のおじさんの

誕生日だったのです。なんと食事係のネパール人の人がケーキまで

焼いてくれて、ささやかなパーティをしたんです。

でもとても美味しいとは言えなかった・・・。その時、私のリュックの中の

パウンドケーキのことを思い出したわけです。

食事の後に、そっとそのおじさんと引率の先生に1本ケーキを届け、

あとの1本をみんなで小さく切って食べました。

そのケーキの美味しかったこと!味噌汁でもないのに

日本を思い出すというか。甘みというものを味わうのが

朝飲む甘いミルクティだけなので、砂糖の味ってこんなに人を

和ませるもの、疲れを癒すものだったのかと実感したのです。

生地の合間に埋っているドライフルーツの美味なこと!

その記憶があるからか、今でもパウンドケーキを作るのが好きで

ちょっとしたプレゼントやお土産、来日取材の差し入れなどに

持って行ったりしています。

自分も食べてホッとするし、周りの人の疲れも癒せる気がするのが

とってもいい。特に来日取材なんかで忙しく働いて疲れたゲストや

通訳さんが喜んでくれると嬉しくなってしまいます。

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